科目情報
科目名 心理生理学 
クラス − 
授業の概要 1. 心理生理学の基本概念と理論の紹介:心理生理学の基礎知識、重要な理論や概念を学ぶ。
2. 脳と行動の関連性の理解:脳の構造と機能を理解し、これが人間の行動や精神プロセスにどのように影響するかを学ぶ。
3. 現代の心理生理学研究手法の紹介:心理生理学的な研究で使用される技術や方法論を学び、実際の研究例を通じてその応用を理解する。 
授業の到達目標 1. 教育現場での応用理解:教師として学童・生徒の行動や学習プロセスを理解するための心理生理学の基礎知識を習得し、教育現場での応用方法を理解する。
2. 学習と発達の生理学的基盤の理解:学習、記憶、感情、注意などの認知プロセスとその生理学的基盤を理解し、教育実践におけるこれらの要素の重要性を認識する。
3. 学童・生徒の多様性に対応する能力の向上:異なる発達段階や学習スタイルを持つ学童・生徒を理解し、個別のニーズに適応した教育方法を考案するための心理生理学的知識とスキルを身につける。 
授業計画
内容
1序論 - 心理生理学とは
- 心理生理学の定義
- 歴史的背景と現代への進化
- 講義の概要と目標 
2神経系の基礎
- 神経細胞の構造と機能
- 神経伝達物質とその作用機序
- 中枢神経系と末梢神経系 
3脳の構造と機能
- 脳の主要部位とその機能
- 脳画像技術の紹介(MRI、fMRIなど)
- 脳と行動の関連 
4感覚と知覚
- 視覚、聴覚、その他の感覚系
- 知覚のプロセス
- 感覚と知覚の実験的研究 
5注意と意識
- 注意のメカニズム
- 意識のレベルと機能
- 無意識の心理学 
6学習と記憶
- 学習理論の概要
- 短期記憶と長期記憶
- 記憶の生理学 
7感情とストレス
- 感情の生理学
- ストレスとその身体への影響
- 感情調節の方法 
8動機づけと欲求
- 生物学的欲求(食欲、性欲など)
- 社会的欲求(承認、所属など)
- 動機づけの理論 
9性格と気質
- 性格の生理学的基盤
- 気質とその発達
- 性格評価の方法 
10睡眠と夢
- 睡眠のメカニズム
- 睡眠障害の種類と治療
- 夢の心理生理学 
11 言語とコミュニケーション
- 言語の脳内プロセス
- 言語障害
- 非言語コミュニケーション 
12異常心理と神経障害
- 精神疾患の生理学
- 神経障害の種類
- 治療法の紹介 
13心理生理学的研究方法
- 実験デザインの基本
- 生理学的測定法(心拍数、皮膚電気活動など)
- データ解析の方法 
14心理生理学の応用
- 臨床心理学への応用
- スポーツ心理学、仕事の心理学
- テクノロジーとの連携 
15総括とまとめ
- コースの振り返り
- 重要な概念と理論の再確認
- 今後の研究の方向性 
 
テキスト・参考書 テキスト:「神経・生理心理学」早川友恵ら著、講談社 ISBN978-4065262153
参考書:「神経・生理心理学―脳から心を理解する」中島恵子ら編著、ミネルヴァ書房 ISBN978-4623087112
「生理心理学と精神生理学 第I巻 基礎」堀忠雄ら監修、北大路書房 ISBN978-4762829727
「カールソン神経科学テキスト ー脳と行動ー 原書13版」中村克樹ら著、丸善出版 ISBN978-4621307656 
自学自習についての情報 自学自習についての情報 講義はテキストをもとに、最新のトピックやエビデンスを交えて行う。
参考書やウェブ上のリソースを活用した理解が望まれる。  
授業の形式 テキストをもとに、スライド講義およびグループワークにて実施する。 
アクティブラーニングに関する情報 各授業のテーマに沿ったグループワークを実施する。
各授業で実施したレスポンス課題について次回講義までに習得することが必要である。  
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業で提出するレスポンス課題15%と期末試験85%で成績を評価する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 学習や教育、生活習慣を司るこころの働きを生理学的視点から理解することによって、教員として備えるべき、学童・生徒指導や学級運営、保護者対応の実践力のみならず、日々の対人関係によって生じる様々な課題を解決する力を養う。 
担当講師についての情報(実務経験) 児童・思春期・青年期を専門とする精神科医師として、大学病院、大学保健センター、子ども発達障害支援センター、公立病院、単科精神病院、クリニック等での診療経験を持つ。
大学健康科学センターおよび予防医学講座での研究指導経験あり。
京都市教育委員会学校サポートチーム委員として、児童精神科医の立場から教育相談に長年携わっている。