科目情報
科目名 中等国語科教育I 
クラス − 
授業の概要 中等国語科教育(中学校国語科教育・高等学校国語科教育)における教育目標、育成を目指す資質・能力を理解し、学習指導要領に示された当該教科の学習内容について背景となる学問領域と関連させて理解を深めるとともに、様々な学習指導理論を踏まえて具体的な授業場面を想定した授業設計を行う方法を身に付ける。 
授業の到達目標 1.学習指導要領における初等国語科教育の目標及び主な内容並びに全体構造を理解している。
2.中等国語科教育(中学校国語科教育・高等学校国語科教育)における個別の学習内容について指導上の留意点(情報通信技術の活用を含む。)を理解している。
3.中等国語科教育(中学校国語科教育・高等学校国語科教育)の学習評価の考え方を理解している。
4.中等国語科教育(中学校国語科教育・高等学校国語科教育)と背景となる学問領域との関係を理解し、教材研究に活用することができる。
5.中等国語科教育(中学校国語科教育・高等学校国語科教育)にかかわる発展的な学習内容について探究し、学習指導への位置づけを考察することができる。 
授業計画
内容
1中学校・高校国語科教育に関する目標及び主な内容並びに全体構造について講じる。講義を受けて、グループワークによる中学校・高校国語科教育の取り組むべき課題と目標について討議し、成果を交流、共有する。また本授業の目標・評価・評価方法・授業の進行計画について提示する。 
2中学校高等学校古典教材「平家物語」の代表的な教材の音読、比較分析レポートの指示(全教材について教材の特徴・特性の分析等)。課題となる事項についてグループワークによる討議、及び成果の交流、共有を行う。 
3中学校高等学校古典教材「平家物語」教材の比較・検討。グループワークによる討議、成果の交流、共有を行う。授業者による補説、総括。 
4高校入門期の「平家物語」自主単元作成の指示。「平家物語」自主作成単元のポスターセッションの方法及び要領の指示。課題となる事項についてグループワークによる討議、成果の交流、共有を行う。 
5「平家物語」自主作成単元のポスターセッションの全員発表?(前半)。ポスターセッション形式で実施(教室の8〜10箇所に発表場所設し、同時に発表。30名程度(前半)。 
6「平家物語」自主作成単元のポスターセッションの全員発表?(前半)。ポスターセッション形式で実施(教室の8〜10箇所に発表場所設し、同時に発表。30名程度(後半)。 
7俳句、短歌の鑑賞法に関して講義を行うとともに、実地の創作に取り組み、指導法として有効な創作指導の視点を獲得する。 
8高等学校教材「こころ」(夏目漱石)の音読。4名程度のグループを編成し、一人二箇所音読を担当することとして、全体の音読計画を立てる。音読を進めながら、まとまりごとに大意を確認する。最後まで読み通すこと(大意の確認を含めて)。 
9高校国語教科書会社8〜10社程度における近代文学教材「こころ」の比較・検討。グループワークによる討議、成果の交流、共有を行う。授業者による補説、総括。 
10高等学校教材「こころ」(夏目漱石)の分析レポート(代表例6〜8名)をとり上げたグループワークによる討議、成果の交流、共有を行う。授業者による補説、総括。 
11「伊勢物語」の全章段を検討、吟味し、教材としての適否を判断、批評する。 
12「伊勢物語」自主単元作成の指示。テーマを設定し、一定分量の単元編成と教材作成を行う。 
13「伊勢物語」自主作成単元のポスターセッションの全員発表?(前半)。ポスターセッション形式で実施(教室の8〜10箇所に発表場所を設定、同時に発表。30名程度(前半)。 
14「伊勢物語」自主作成単元のポスターセッションの全員発表?(前半)。ポスターセッション形式で実施(教室の8〜10箇所に発表場所を設定し、同時に発表。30名程度(後半)。 
15「中等国語科教育」に関する総括。授業で扱った教材についての補説。中等国語科教育の授業者として必要な能力、及びその能力向上に関する補説。中学校教材・高等学校教材の背景となる「芥川龍之介短編小説集」に関するレポートの指示。課題となる事項についてグループワークによる討議、及び成果の交流、共有を行う。 
 
テキスト・参考書 テキスト 中学校・高等学校国語科学習指導要領(最新版)
授業に必要なプリントはその都度配布する。テキストとして「平家物語」、「こころ」、「伊勢物語」、芥川龍之介の小説集を使用する。全て同一の文庫本を使用するため、入手の指示を適宜行う。これらのテキストはレポートにも使用する。なお、テキストの入手状況により作品を変更することがある。 
自学自習についての情報 授業における演習だけでは、教材研究力は身につかないので中学校国語教科書、高校国語教科書の教材を用いて自分で教材研究の修練を積むことが必要である。
中学校国語科教育、高等学校国語科教育の背景となる学問領域に属する古典作品「竹取物語」「伊勢物語」以外の平易な「枕草子」「徒然草」「土佐日記」「更級日記」等を読んでおくことが必要である。 
授業の形式 講義、グループによる討議・話し合い、発表活動等を複合して授業を進める。受講生の人数により形式を変更することがある。 
アクティブラーニングに関する情報 授業全体がレポート作成・発表・相互討議のくりかえしである。最後の「伊勢物語」は全員のポスターセッションとなる。  
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 複数回のレポートの内容(提出回数も含む)(60%)を評価するとともに、演習発表の内容・質(30%)、授業における討議参加の状況(10%)を含めて総合的に評価を行う。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 「中等国語科教育II」における本格的、総合的な中等国語科教育の理解の前提となる部分を扱う。教材研究法に関しても入門的な方法を扱う。 
担当講師についての情報(実務経験) 中学校校長経験(大学教員の併任)があり、よく授業を行っていた。また、30年以上の現場指導経験があり、現場の実態分析をもとに、授業内容を編成している。