科目情報
科目名 自然観察法II 
クラス − 
授業の概要 学内実習ならびに学外野外実習課題を設けており,小中高等学校で扱う内容を体験的に観察し,京都の自然とともに自然の摂理を体系的に理解することができる。 
授業の到達目標 「自然観察法II」の対象となるものは,現生の生物体も一部含まれるが,主には液体・固体地球である。本実習(実験)では,岩石や鉱物,地層,化石等に可能な限り直接手を触れ,体験的に自然に対する理解を深めることができる。特に地学分野は物理学,化学,生物学の成果の上に成り立つ総合科学であることに気づき,個々の実習(実験)でも総合的な観点に立つ判断が必要であることが理解できるようになる。地学の対象は,化石にせよ堆積物にせよ過去に生成したものが多くそれぞれに歴史性を持っている。そのことから示準化石など歴史的な対象も観察する。またそれとは逆に,現生の生物から過去の進化のありようを見ていく実験も設定されており,特に哺乳類の進化では自分自身がどのような経過を経て現在の時間に存在しているのか等,広く進化についても学ぶことができる。 
授業計画
内容
1(1)キャンパスの自然を観察する 
2(2)岩石の種類と肉眼による鑑定 
3(3)偏光顕微鏡観察のための岩石チップの作成 
4(4)岩石薄片の研磨と薄片の完成 
5(5)岩石薄片の偏光顕微鏡による観察 
6(6)御香宮の湧泉・巨椋池の干拓・桃山断層 
7(7)木津川河床に観察できる旧巨椋池の堆積物 
8(8)微化石の抽出と同定方法 
9(9)クリノメーターを使った測量方法 
10(10)鹿ケ谷断層と京都東山の地形 
11(11)京都市内の花折断層の観察 
12(12)保津峡周辺の自然 −チャート中の放散虫化石,砥石層中のコノドント化石− 
13(13)京都市動物園に学ぶ哺乳類の進化 
14(14)鴨川における川原の石の観察 
15(15)まとめの発表(2)総合発表 
 
テキスト・参考書 「京の石 川原の石図鑑」(地学団体研究会編)を使う。また,必要に応じてプリント等を配布する。 
自学自習についての情報 日頃から本授業に関する内容に関心をもち,新聞,科学雑誌,科学関連の書籍などに掲載される事柄に注意を払うように心がける。授業は,1週間前に実施内容を公表するため,その内容に応じた事前学習を行うこと。 
授業の形式 実習・実験内容に応じて個別・班別に分かれて行う。 
アクティブラーニングに関する情報 実験でのデータや観察した内容をグループでディスカッションして発表する機会を設ける。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 実習(実験)に取り組む学習態度(30%),実習(実験)中の記録ノートならびにレポート(50%),発表等(20%)として評価する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 野外に出ることが多いが,公共交通を使う場合は自費となる。授業アンケートの結果より,できるだけ受講者の希望も実習内に取り入れて行う。また,解説を分かり易くする。
天候により学内で行う実習(実験)と野外実習の順番が入れ替わることがある。 
担当講師についての情報(実務経験) 小中高等学校での特別授業を行う機会も多い。小中高等学校の「理科」あるいは「地学」の教科書で扱われている内容について,教科書だけではなく実際に実物の観察を通し,実感を伴った自然環境を理解できるように授業を進める。京都ならびに近畿の自然を知ることができ,学校現場で十分に生かされる内容となっている。