科目名 |
生涯発達心理学 |
クラス |
− |
授業の概要 |
「年代による発達の姿の違い」を年代別に学んで行く授業ではない。生涯にわたって発達するとはどういうことか、発達とは何か、一生涯を通底する発達の要因や機序は何かについて、考えあいたい。講義を受けるのではなく、講師と受講者が一体となって「一生涯にわたる発達とは何か」を考究していく時間とする。受講者自らの生涯にわたる発達を見通すと共に、教員として仕事をする上でも、目の前の児童・生徒が「今」とともに「将来にわたって」発達する存在であることを意識できる一助となれば幸いである。 |
授業の到達目標 |
固定的画一的な発達観から自由になり、拡散的思考を駆使して「生涯にわたる発達」というものについて考えることが出来る。 |
授業計画 |
回 |
内容 |
1 | オリエンテーション、「意味の形成過程」としての発達 |
2 | 人の発達の自由さ − ヒトの発達とは何か 進化論的アプローチ |
3 | 発達の交流型モデルと発達における文化の役割 生態学的アプローチ |
4 | 発達を駆動するもの 生涯にわたる絆としてのアタッチメントの発達 |
5 | 発達を駆動するもの 発達要求を造り出す契機の一つとしてのアイデンティティー |
6 | 発達の目標、生きる意味 生涯発達を支えるフロー体験 |
7 | 環境との相互作用を行う主体の発達 認知発達と情動発達 |
8 | 発達の場としての状況 状況に埋め込まれた学習・正統的周辺参加 |
9 | 発達の場としての状況 パフォーマンス心理学−共生と発達のアート |
10 | 状況を受け止める主体の発達 ポジティブ心理学 |
11 | 生涯発達の多様性 LGBT-SOGIEの諸問題 |
12 | 生涯発達の多様性 ニューロダイバーシティ・神経多様性 |
13 | 生涯発達を支える SCERTSモデルの枠組みと哲学 |
14 | 生涯発達を支える オープンダイアローグ・リフレクションプロセスというアプローチ |
15 | 総括討論 「自由」を確保し「まとも」「同じ」に異議を申し立てる発達の概念 |
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テキスト・参考書 |
テキストは使用しない。必要に応じて資料を配付する。 参考書は、「発達科学ハンドブック(新曜社)」、その他、授業の中で適宜紹介する。 |
自学自習についての情報 |
授業後に「フィードバックシート」を記入し、次回に提出のこと。 紹介した文献に直接当たることが望ましい。 |
授業の形式 |
「何か新しいことを教えてもらう」授業ではない。一人一人が自分のこれまでの固定観念を一度取り払い、画一的な「発達観」ではなく、発達とは何かを今一度考え直す時間にしたい。講師より一定の講義をした後、受講者の討論によって授業を進める。よって、毎時間の思考、それも「拡散的思考」が十分なされたか、思考が鍛えられたかが重視され、評価の基準となる。講師の講義内容を無批判に受け取ってはならない。毎時間の講義内容を批判的に吟味することが重要である。 |
アクティブラーニングに関する情報 |
授業への参加、フィードバックシートへの記入、自発的な資料等へのアプローチなどで、主体的な学修への参加を期待する。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
定期テストは実施しない。授業への参加とフィードバックシート、および一回以上のレポート提出によって評価する(80%)。 紹介した文献等へ自発的なアプローチによって加点される(20%)。 |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
既存の知識、自分の固定観念や常識を、一旦リセットしましょう。 特に、現状に何らかの違和感を覚えている方、歓迎です。 |
担当講師についての情報(実務経験) |
中高社会科教諭19年,特別支援学校教諭19年,小学校特別支援教育巡回心理士,保育所巡回相談員 公認心理師,臨床発達心理士SV,学校心理士SV,ガイダンスカウンセラーSV |