科目情報
科目名 肢体不自由教育 
クラス − 
授業の概要 肢体不自由児が就学対象となる特別支援学校及び特別支援学級等の教育課程、並びに実際の授業について、基礎的な考え方を理解する。前提として、肢体不自由の原因、障害特性、肢体不自由教育の歴史等を理解し、その前提に立って、教育の場、教育課程の実際、自立活動、個別の指導計画(個別の教育支援計画にも触れる)、学習指導について基本的な考え方を学ぶ。学習指導に関しては、各種指導法や運動動作改善の技法、摂食指導、介助、重度重複児の医療的ケア等、関連する事柄についても概説する。15回の学習を通じて「肢体不自由」という状態についての具体的なイメージを持つと共に、「障害」についての理解を深める。 
授業の到達目標 1 肢体不自由に関する基礎的な事柄について理解し、個々に応じた自立と社会参加の在り方について考えることができる。
2 肢体不自由教育の教育課程編成、個別の指導計画、個別の教育支援計画について、各教育法規に基づき理解することができる。
3 肢体不自由教育の実践に学び、指導上必要な視点を持つことができる。 
授業計画
内容
1ガイダンス 肢体不自由とは 障害特性、発達等 
2肢体不自由児の教育 歴史と現状、教育の場 
3主な肢体不自由の原因と特徴、医療的ケア 
4肢体不自由児の特性 
5肢体不自由児を教育する教育課程 
6自立活動の指導@ 成立と経緯、概要、「健康の保持」、「心理的な安定」 
7自立活動の指導A 「人間関係の形成」、「環境の把握」 
8自立活動の指導B 「身体の動き」、「コミュニケーション」 
9臨床動作法について 
10車いすの操作方法、介助についての基本 
11自立活動に関する「個別の指導計画」の概要 
12自立活動に関する「個別の指導計画」の作成演習 グループワーク、発表 
13肢体不自由児の学習指導の概要 
14肢体不自由児の学習指導の実際 グループワーク、発表 
15授業の振り返りとまとめ 進路と卒業後を踏まえて 
 
テキスト・参考書 授業中に配布する資料や紹介する資料等に目を通し予習復習を心がけて下さい。
<テキスト:予習復習のためにもっておくべきもの>
「よくわかる肢体不自由教育」安藤隆男・藤田継道 ミネルヴァ書房
<参考書:必須ではないが、参考となるもの>
「特別支援教育の基礎・基本 2020」独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 ジアース教育新社
「特別支援学校学習指導要領解説 総則編・各教科等編・自立活動編」文部科学省 開隆堂出版
「教育小六法」勝野正章他 学陽書房
「基礎から学ぶ動作法」九州大学総合臨床心理センター ナカニシヤ出版 
自学自習についての情報 毎回の授業に関して自分なりに理解を深めることは言うまでもありませんが、加えて、適宜提示する課題について考察すること、授業の中で紹介した文献にあたって視野を拡げることに努めて下さい。 
授業の形式 講義および実技 適宜、小グループでのディスカッションと発表 
アクティブラーニングに関する情報 授業で学んだことを基礎として、そこに思考を加えて自分の物として理解することを目指して下さい。その際、バランスの取れた理解となるよう、常に他者からの見方を意識するようにして下さい。また、人に分かりやすく発言する、人に分かりやすい文章を書くことも大切にして下さい。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 随時提示する課題へのミニレポート(30%)授業内での発表(10%)と試験に代わるレポート(60%)を総合して評価します。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) この科目は特別支援教育に携わる教員として、必要最低限の知識・技能・態度を身につけるための科目です。学校現場での授業は、知識だけでは成立せず実践の力が必要です。そのためにも、授業で学んだ内容をベースとして、自分の体験を重ね合わせ、自分のものとして理解できるようにして下さい。学校で学ぶ子ども達に主体的な学びが必要であるように、学生のみなさんにも「自ら問いを立て解決を模索する力」が必要です。広く社会に目を向けて、現実の中でおきていることを常に意識して学習して欲しいと願っています。疑問点は授業中でも授業外でもどんどん出して下さい。授業に反映します。また、毎回、実技をする予定です。実技の出来る服装で受講して下さい。 
担当講師についての情報(実務経験) 京都市の特別支援学校に長年勤務し、その間肢体不自由、知的障害等の障害のある子どもの教育に携わり、現在も京都市教育委員会指導部総合育成支援課の専門主事として市内の学校教育に関わっています。それらの経験を踏まえ、学校現場の実際等を紹介しながら、授業をすすめます。