科目情報
科目名 漢文学演習A 
クラス − 
授業の概要 多くの故事成語について、その読み方や意味を知る。故事成語の出典を調べ、訓読するとともに、故事成語の背景にある中国の歴史・社会・文化・思想等に対する理解を深め、日本語や日本文化等への影響について考える。同時に、故事成語が現代も生きてあることの意味を考える。中学校や高等学校での授業を念頭に、訓読、書き下し、語釈、通釈、背景等を説明するなど、受講者の発表による演習とする。具体的な故事成語と授業の進め方等は開講時に指示する。 
授業の到達目標 中学校や高等学校の国語教員に求められる漢文に関する基礎的な知識を身につけ、漢文指導上必要な漢文訓読と読解の能力を高めることができる。
・訓点に従って訓読ができ、意味を理解できる。
・返り点の働きや他の訓読の規則を説明できる。
・多くの故事成語を知り、その意味がわかる。
・主な故事成語について、本来の意味や出典等について、調べ、説明できる。
・適切に故事成語を使うことができ、日本語の中での役割等について自分の考えを述べることができる。
 
授業計画
内容
1故事成語に関する概説・授業の進め方について
※本講義では、毎時間パソコンを使用して演習を行うので必ず持参すること(バッテリー満充電・Wifi接続済み)
※インターネットを使用して検索できるWiFi接続常時可能な教室を準備する予定である。 
2演習(1)資料の調べ方 課題分担と発表の方法について 
3演習(2)資料検索について 
4演習(3)資料作成について 
5演習(4)模擬発表(発表の方法等)について 
6中間試験・図書館資料室案内など 
7演習(5)課題発表(発表と議論)1『韓非子』矛盾・守株 
8演習(6)課題発表(発表と議論)2『戦国策』漁夫之利・蛇足 
9演習(7)課題発表(発表と議論)3『老子』大器晩成、『荘子』胡蝶之夢 
10演習(8)課題発表(発表と議論)4『荘子』『列子』朝三暮四、『列子』杞憂 
11演習(9)課題発表(発表と議論)5『淮南子』塞翁が馬、『史記』焚書坑儒
 
12演習(10)課題発表(発表と議論)6『史記』四面楚歌・酒池肉林 
13演習(11)課題発表(発表と議論)7『論語』葦編三絶、『孟子』助長 
14演習(12)課題発表(発表と議論)8『荀子』出藍、『墨子』兼愛公利 
15演習(13)課題発表(発表と議論)9『唐詩紀事』推敲、これまでの振り返りとまとめ 
 
テキスト・参考書 演習にもちいるテキスト等は、印刷または電子データ等(データベース)で配布する。
辞書:小川環樹他『角川新字源(改訂新版)』(角川書店)の他、各種漢和辞典、故事成語辞典、『大漢和辞典』『廣漢和辞典』※(大修館書店)
参考書:新釈漢文大系※(明治書院)、全釈漢文大系※(集英社)他、担当する故事成語に関わる書籍 ※大学図書館に所蔵 
自学自習についての情報 発表者としては、各社の漢和辞典やできるだけ多くの資料にあたり、発表と発表用資料作成のために十分に時間をかけること。また、限られた時間の中で、どのように発表するかをよく考え、練習をして発表すること。発表後は自分の反省と他の受講生の意見等を参考にして必ずまとめをし、今後の学習に生かすよう努めること。 発表を聞く者としては、次時の発表課題についての基礎資料や参考資料を読み込み、関連する書籍や論文を検索して事前に読んでおくとともに、発表内容についての「問い」を事前に考えておくこと。また発表の中で新たに生成された「問い」について探究し自分の考えをまとめておくこと。本授業で参考にしたものは必ずコピーを取るなどして、整理した資料として残すようにしておくこと(リフレクションやまとめに役立てる)。 
授業の形式 演習形式。 なお、シラバスに示した発表課題等は受講者の状況により変更することがある。 
アクティブラーニングに関する情報 演習であるが、担当者のみが発表する形式ではなく、毎回、担当者も含めた全員で読解し、議論していくので、必ず予習をするなど主体的な受講が求められる。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 資料作成(レポート試験含む・内容による評価)40%、課題発表(発表内容,質疑応答による評価)45%、授業への参加態度等(リフレクション)15%による。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 授業計画は、受講者の状況に応じて変更する場合がある。また試験週間に補講を行う場合がある。なお漢文の理解には中国語の知識が必要である。中国語は1単位だけでもよいので、できる限り履修することが望ましい(この授業と並行しての履修でも差し支えない)。 
担当講師についての情報(実務経験) 27年間の国立・公立中学校教員(幼・小・中国・高国・特支の教員免許取得、学校図書館司書教諭)の勤務経験を活かし、学校現場の実態を踏まえた子ども理解、指導・支援等、教育活動の本質的な「問い」を探究する主体的・対話的で深い学びの実現を目指す授業を目指す。本講義では、受講者は、単に知識を理解、技能を修得するだけでなく、なぜそうなのかという本質的な「問い」をもち、探究することを大切にして学修を深めて欲しい。