科目情報
科目名 地誌学概論 
クラス − 
授業の概要 「地誌」とは、ある特定の地域の特徴・特質をできるだけ詳しく調べ上げて記述すること、あるいはそのような書物を意味する。すなわち地域調査の結果として得られるものである。大学で学ぶべき「地誌学」とは、様々な地域の「地誌」を漫然と覚えるだけではなく、それらを自ら調査・記述できるような能力を身につけることにあろう。
本授業では、様々な見方から比較的身近な地域の特徴・特質を理解しつつ、その結果だけでなく、いかにしてそのような結果に至ったかのという方法も身につけられるようにする。すなわち地域調査のために必要な地図(地形図)、文書資料(史料)、統計、写真・映像、フィールドワークなどの基本的活用方法の習得にも重点をおきたい。 
授業の到達目標 様々な地域の特徴・特質を把握し、説明できるとともに、諸資料の活用を通じた地域調査の基本的方法を理解し、説明できる。 
授業計画
内容
1オリエンテーション−系統地理学と地誌学 
2地図の基本知識@−地図の定義と種類 
3地図の基本知識A−経度と緯度・縮尺・方位、地図の歴史 
4地図の基本知識B−等高線とその活用 
5歴史都市・奈良の形成−平城京の地理 
6歴史都市・大阪の形成@−古代難波と住吉大社の地理 
7歴史都市・大阪の形成A−大坂城の地理 
8歴史都市・大阪の形成B−近世城下町の地理 
9千葉県・九十九里浜−集落形成と漁業・農業 
10滋賀県・草津川−天井川と水害 
11富山県・常願寺川と立山カルデラ−河川治水の必要性とその問題点 
12ヨーロッパ・イタリア@−パレルモの地理と歴史 
13ヨーロッパ・イタリアA−ヴェネツィアの都市形成と観光 
14ヨーロッパ・ノルウェー―自然環境とエネルギー需給 
15講義のふりかえり−環境・地域・空間と人間、および授業内試験 
 
テキスト・参考書 教科書:教科書は使用せず、主にレジュメ資料を配布して説明していく(レジュメはその講義回しか配布しない)。配布されたレジュメはその後の授業でも必ず毎回持参すること。
参考書:中学または高校の地理の授業で用いた地図帳を持参すること(どの出版社のものでもかまわないが、持っていない学生は必ず入手すること)。その他の参考文献は授業中に適宜指示する。 
自学自習についての情報 あらかじめ中学または高校の地理教科書、特に地図の読み方・使い方の部分をよく読み返しておくこと。
復習にあたっては、レジュメや自筆ノートを読み返すだけでなく、指示された参考文献を熟読するなどして理解すること。
電車やバス、徒歩で移動する際には、まわりの景色をよく観察してみること。 
授業の形式 講義形式。レジュメを配布して解説していくほか、映像資料も活用する。 
アクティブラーニングに関する情報 講義中の質疑応答およびコミュニケーションペーパー、それにメールなどを通じて積極的に授業に参加すること。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業内試験70% 平常点評価30%
授業内試験は、受講生の到達目標に応じ、基本概念や語句の理解に加え、諸資料から地域の特徴・特質を把握していく力量を試す問題を出して評価する。なお、授業内試験は最終回に実施するほか、必要に応じて中間試験を行うことがある(中間試験実施の場合、事前に周知徹底する)。
平常点として授業中に課す簡単な質問・課題への回答や出欠などから、講義の理解度・取り組み度を評価する。

また、授業中に私語をする、スマホをいじる、授業と関係ない作業をするなどの行為は厳禁とし、見つけた場合は警告抜きで取り上げた上で厳しく減点する。これらの行為を繰り返すなど目に余る学生は、単位認定を取り消す場合もあるので注意してほしい。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 受講生は、毎回最低2色の色鉛筆(またはマーカー)を必ず持参すること。
諸般の事情で授業スケジュールの順序や内容を変更する可能性がありうる。 
担当講師についての情報(実務経験) 主な著書:本多健一『京都の神社と祭りー千年都市における歴史と空間』中公新書、2015.