科目情報
科目名 社会科教育演習IB 
クラス c 
授業の概要 地理学研究の基礎を固めるには,地理学だけではなく周辺諸科学の手法や文献を使いこなすことが大切です。本授業では地域調査を行う前段階として,各自が関心をもつ分野の文献を読みこなすことで研究の潮流を把握し,自分自身の研究テーマを絞り込んでいけるように指導します。読み込んだ文献の内容は,批判的解釈(記載内容を単純に攻撃するものではなく、疑問を持って吟味・理解に努めること)を含め,プレゼンテーションソフトやレジュメを活用して受講生自身が口頭発表し,質疑応答の時間を設けます。 
授業の到達目標 地域を調べるための基礎知識と技法の習得を図り、あらゆる地域において何らかの興味・関心が持てるようになります。生活や業務の拠点がある地域(空間)を熟知することは、現代社会において必須の基礎能力であるので、教員・公務員・民間企業・大学院などのいずれに進むにせよ、大学で学んだ者に相応しい能力が育ちます。
【ディプロマポリシーに関する記載】
1.文献講読を通じて,論理的思考力や問題解決力など,また口頭発表や質疑応答によってコミュニケーション能力などを磨くことができます。《汎用的技能》
2.演習形式による授業を通じて,総合的な学習経験と創造的思考力を育成できます。《総合的な学習経験と創造的思考力》 
授業計画 ・受講生による地理学(周辺の関連領域を含む)の学術論文の紹介,および当該プレゼンテーションをめぐっての討論と指導を行います。学術論文は日本語または英語によるものを1編以上読むこととします。単に「面白そうだから」と軽率に選ぶのではなく、自分が研究したいテーマを真剣に探すつもりで文献の選定を心掛けてください。
・卒業論文作成の過程が理解できるよう配慮して,4回生ゼミとの合同授業を積極的に展開します。4回生が発表しているときも積極的に質問をしてください。
・本授業科目は演習形式なので、どの回に何をするのかは決められません。内容は逐次的に受講生と相談しながら決めていきます。
内容
1【第1回】前期および夏季休暇を終えての研究志向の変化に関する紹介 
2【第2回】査読付き学術専門誌に掲載された論考を読み解く(1):前期の第9回及び第12回と同じ者による別の論考の紹介 
3【第3回】査読付き学術専門誌に掲載された論考を読み解く(2):前期の第10回及び第13回と同じ者による別の論考の紹介

 
4【第4回】査読付き学術専門誌に掲載された論考を読み解く(3):前期の第11回及び第14回と同じ者による別の論考の紹介
 
5【第5回】査読付き学術専門誌に掲載された論考を読み解く(4):後期の第2回と同じ者による従来は扱っていない論考の紹介 
6【第6回】査読付き学術専門誌に掲載された論考を読み解く(5):後期の第3回と同じ者による従来は扱っていない論考の紹介 
7【第7回】査読付き学術専門誌に掲載された論考を読み解く(6):後期の第4回と同じ者による従来は扱っていない論考の紹介 
8【第8回】査読付き学術専門誌に掲載された論考を読み解く(7):後期の第5回と同じ者による従来は扱っていない論考の紹介 
9【第9回】査読付き学術専門誌に掲載された論考を読み解く(8):後期の第6回と同じ者による従来は扱っていない論考の紹介 
10【第10回】査読付き学術専門誌に掲載された論考を読み解く(3):後期の第7回と同じ者による従来は扱っていない論考の紹介 
11【第11回】卒業論文作成に向けての抱負(1):後期の第8回と同じ者によるプレゼンテーションと質疑 
12【第12回】卒業論文作成に向けての抱負(2):後期の第9回と同じ者によるプレゼンテーションと質疑 
13【第13回】卒業論文作成に向けての抱負(3):後期の第10回と同じ者によるプレゼンテーションと質疑 
14【第14回】ゼミ生全員による卒業論文発表会(4回生が居ないときは地域調査報告会)の準備 
15【第15回】当授業科目の振り返りと卒業論文に向けての展望 
 
テキスト・参考書 あらゆる段階で次の書籍が大いに参考となります。この書籍は平成24(2012)年度から「地理学概論」の教科書としても使用している書籍の第2版です。最近の学生諸君は書籍をほとんど購入しない人が多いですが、それは学生として本当に恥ずかしいことです。この本は、地理学の基礎を初学者向けに網羅している入門書なので、持っていない人は必ず購入するようにしてください(「地理学概論」のテキストコーナーに置いています)。
野間晴雄・香川貴志・土平 博・山田周二・河角龍典・小原丈明共著(2017)『第2版 ジオ・パルNEO』海青社。
 
自学自習についての情報 ・発表の直前になって論文を探し始め、中途半端な発表をする学生諸君も稀にいますが、余裕が無い中で慌ててした仕事は往々にして水準が低く、慣れた立場の者が見ればすぐに見破れます。こうした恥ずべき事態にならないように、普段から問題意識を持って文献を読み込んで欲しいと思います。それをしておかなければ、卒業論文を執筆する段になって大変な苦労をすることが必至ですし、大学生活が実の無いものになってしまいます。
・演習室(ゼミ室)には文献やPCが整っているにも関わらず、それを十分に活用できている学生諸君は残念ながら多くありません。絶えず誰かが学習しているようなゼミ室にしてください。
 
授業の形式 演習 
アクティブラーニングに関する情報 演習は完全に参加型の授業であり、自らが動かなければ何も得られません。そういう意味で、この授業科目は毎回の授業が100%アクティブラーニングといえます。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業時の質疑応答などの受講態度による平常点評価(100%)。無断欠席・遅刻は大幅な減点対象とし、それが重なると不合格になることもあります。また、出席しているだけの受動的な態度では良い評価をしかねます。発表をする日に無断欠席をした場合は不合格の対象となることがあります。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 「演習」は教員だけでなく、受講学生全員で創っていく時間です。自分の発表だけでなく、他の人の発表に耳を傾け、積極的に発言してください。 
担当講師についての情報(実務経験) 「社会科教育演習IA(c)」シラバスの当欄を参照してください。