科目名 |
化学実験 |
クラス |
− |
授業の概要 |
分析化学と有機化学の初歩的な実験をいくつか行う。 分析化学実験については,容量分析と機器分析の実験を行い,主に水質分析においてよく用いられる代表的な分析法を実習する。これらの実験を通して,分析の原理,器具の基本操作,計算方法,分析データの処理法について学習する。また,適正な試薬の取り扱いや正確な操作技術を修得する。 有機化学実験については,合成や分離の最も基本的な手法と有機化合物の分析法(定性分析、機器分析)について学び,今までに学習してきた内容を実際に実験で行うことで確める。また試薬や器具の取り扱いから,理論と実験との結びつきを体験する。 |
授業の到達目標 |
分析化学においては,1.容量分析法と機器分析法の原理,測定方法,解析方法を理解できる。2.分析操作,およびデータの統計処理と解釈を正しく行うことができる。 有機化学においては,有機化学の合成や分離,分析の基本的な実験を経験し,理論と基本的な実験手法との結び付けができる。 |
授業計画 |
授業担当の2教員の授業を7回ずつ受講し,化学分野について全般的に学ぶ履修形態をとる。 授業担当は,第1〜7回が鈴木祥子,第8〜14回が向井浩である。第15回はまとめとする。
回 |
内容 |
1 | 1.有機化学分野 有機定性実験:薄層クロマトグラフィーによる有機物質の分離 |
2 | 有機定量実験(1):有機物質の液―液抽出による分離 |
3 | 有機定量実験(2):液―液抽出で分離した有機物質の回収と同定 |
4 | 有機合成実験(1):アセトアニリドの合成 |
5 | 有機合成実験(2):アセトアニリドの同定 |
6 | 有機合成実験(3):オレンジUの合成 |
7 | 有機合成実験(4):インジゴの合成、合成染料を用いた染色 |
8 | 2.分析化学分野 容量分析(1): 試薬溶液の調製 |
9 | 容量分析(2): 水の硬度測定 |
10 | 機器分析(1): 原子吸光光度分析による鉄の定量 |
11 | 機器分析(2): 可視紫外吸光光度分析による鉄の定量 |
12 | 機器分析(3): 連続変化法による鉄錯体の組成比の決定 |
13 | 分離分析(1): 分離機能性材料の調製 |
14 | 分離分析(2): 金属イオンの分離 |
15 | まとめ |
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テキスト・参考書 |
テキストはないが,代わりに実験指針書を第一回目の授業で配布する。また実験内容を補充するプリント類を授業の初めに配布することがある。また,実験内容について興味がある人は以下の参考書を読むとよい。 分析化学:浅田誠一他著『図解とフローチャートによる定量分析』技報堂出版;宗林由樹,向井浩共著『基礎分析化学』サイエンス社;庄野利之,脇田久伸編著『入門機器分析化学』三共出版;日本分析化学会北海道支部編『水の分析』化学同人 有機化学:磯部稔他共訳,フィーザー/ウィリアムソン「有機化学実験 原書8版」,丸善出版,2000年 実験基本操作:実験を安全に行うために 第8版,化学同人編集部編,化学同人,2017年;続 実験を安全に行うために 基本操作・基本測定編 第4版,化学同人編集部編,化学同人,2017年 |
自学自習についての情報 |
配布される実験プリントを予習し,受講生が実験の背景(反応式や関連の理論)を十分に理解して,さらには自分から必要事項をあらかじめ調べて実験に臨むこと。また,実験後には結果をレポートとして提出する課題が与えられる。 |
授業の形式 |
実験実習(個人または2〜3名からなる班単位で行う)。また,各実験のはじめにテーマとその周辺についての講義,解説,受講生への質問,演習を行う。 |
アクティブラーニングに関する情報 |
グループ・ディスカッションやグループワークを行う。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
(1) 授業への参加度(50%) (2) レポート(50%) 1/3以上欠席した受講者,及び,レポートを提出しない受講者には,単位が認められない。 |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
化学基礎実験を必ず受講済みであること。 毎回,白衣,安全めがね,実験ノート,実験指針書を準備し持参すること。グループ分けや実験指針書などの配布があるので,初日の授業には必ず出席すること。 「無機・分析化学概論」と「有機化学概論」は関連する授業科目なので,あわせて受講することが望ましい。 |
担当講師についての情報(実務経験) |
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