科目情報
科目名 生物育成実習 
クラス − 
授業の概要 本実習は、生物を育成する現場への見学を主とする。また、前期の栽培実習の授業『栽培実習I』に続けて,F棟南側の教材園にて作物の栽培を実施する。森林や畜産ならびに魚類に関する施設への日帰りの見学を多数予定している。そのため、後期授業開始前(9月中)や水曜日の午後などを利用して日帰りで見学することが多い。見聞したことをまとめてレポートを作成する。 
授業の到達目標 前期の栽培実習Tと同じである。ただし、栽培実習Tに比べて植物以外の生物を育てるための学習をすることになる。こうした生き物を育てる体験から、生命の大切さや生き物との付き合い方、世話の仕方、愛情の注ぎ方などを体得する。また、成長することの喜びを感じ取るとともに、いのちを育てる心と慈しむ心を涵養し、最終的に教師として子ども達に接するために必要な心の持ち方を習得する。あわせて、環境保全の意義などについても習得する。 
授業計画 栽培の作業は、基本的に前期の『栽培実習T』と同様である。最初の15分程度その日の実習について解説した後、F棟南側の教材園にて、作物を「育てる」実習を行う。収穫物がある場合には、調理と試食を行う場合がある。最後にまとめの時間を設ける。前期に栽培した作物の組み合わせにより、収穫・試食といった実施内容が変化する。収穫がすべて終了したら、来年度の栽培実習の授業のために、土つくりや耕耘作業を実施する。なお、教材園では、無農薬有機栽培を実施しており、この栽培をするためには前年冬季に大量の有機物投入が必須である。来年度に受講する後輩のために、この作業を心を込めて実施してほしい。また、畜産、森林および水産に関する実習では、本学で実施することが難しく、学外の施設を見学することになるので、受け入れ機関の都合によっては、計画を変更する場合がある。

 
内容
1オリエンテーション 
2野菜の収穫、調理、試食 
3講義(動物と環境) 
4動物関連施設の見学 
5動物保護ならびに飼育に関する講義 
6講義(水産資源に関する状況) 
7生物多様性に関する施設の見学 
8海洋河川における生物多様性に関する講義 
9講義(里山での営みと森林) 
10近隣演習林での見学 
11演習林見学のまとめ 
12市民農園・有機栽培施設の見学 
13市民農園・有機栽培施設での栽培法に関する講義 
14圃場の片づけ、土つくりなど 
15圃場の耕耘、整地など 
 
テキスト・参考書 講義の場合はパワーポイントを用いた形式で進行する。
必要に応じてプリントを配布する。
参考書として、以下の2冊を上げるので、各自参考にしてほしい。
1. 学校園の観察実験便利帳(日本農業教育学会編、農文教)
2. 農学基礎セミナー 新版野菜栽培の基礎(池田英男・川城英夫編著、農文教) 
自学自習についての情報 休日や放課後に圃場にて水やりなどの作業を積極的に行ってほしい。常日頃から、自然環境ならびに動植物の生育に興味を持って取り組んでほしい。 
授業の形式 本学での実施が難しい部分がおおいので、学外の施設を見学して実施することになる。受け入れ機関の都合により、計画が変更される場合がある。実習ならびに見学が主であるが、その前後や実習中に説明等の講義を入れる場合もある。随時、授業中または教務を通じて連絡を行うので、注意を心掛ける。

 
アクティブラーニングに関する情報 本授業は実習および見学が中心であり、授業に臨んでは自ら考えた上で自主的に行動しなければならない。その結果については、自ら責任を負うことが求められる。すなわち授業自体がアクティブラーニングである特徴を持っている。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業中の態度(真面目に作業に取り組めているか)25%、教材園の管理状況25%、レポート50%の配分で評価する。期末試験は実施しない。実習の授業であるので、出席率の低いまたはレポート提出率の低い学生は単位を取得することができない。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 本授業は、前期の栽培実習Tと併せて履修することが望ましい。前期の栽培実習は月曜日の3・4時限目に設定するが、後期の本授業は月曜日4時限目のみの実施である。しかしながら、1時限のみでは見学が難しいので、9月中または水曜午後を活用して行うことが多い。他のスケジュールが重なることがあるが、不参加の学生が不利にならないよう最大限配慮する。 本授業科目は1単位の科目である。 
担当講師についての情報(実務経験) 京都大学大学院農学研究科において栽培実習を担当した経験を持つ。学外の専門家の話を聞く機会を設けるので、積極的に参加してほしい。