科目情報
科目名 日本音楽史 
クラス − 
授業の概要 日本の伝統音楽における代表的な種目を中心に、民謡や民俗芸能も視野に入れ、その特性と歴史的形成過程の概略を解説する。具体的には、邦楽器や視聴覚資料を用いながら、時代的な特徴や音楽理論、楽器、演奏法、記譜法、舞台演出などについて、代表的な作品を通して紹介する。 また同時に、小学校や中学校の教育現場で、日本の伝統音楽の何をどう伝えるのか、受講者が主体的に考える課題を設ける。 
授業の到達目標 1.雅楽、能楽、近世邦楽など、日本の伝統音楽の代表的な種目における歴史的形成過程やそこから培われてきた特性について、時代背景や当時の美意識・音楽観といった音楽文化として理解し、音とともに味わうことができる。
2.音楽様式・音楽理論・楽器などに関する基本的用語を学び、それらを用いて日本の伝統音楽を説明することができる。
3.小学校や中学校の音楽科教育の中で、日本の伝統音楽を題材とした授業をいかにデザインし展開していくか、その具体的なイメージや計画を練ることができる。 
授業計画
内容
1日本の伝統音楽を概観する 
2古代成立の楽舞と歌謡:雅楽(1) 雅楽の歴史・種目・楽器 
3古代成立の楽舞と歌謡:雅楽(2) 雅楽の音組織・リズム・形式、平調《越天楽》の分析 
4中世成立の楽劇:能楽(1) 能楽の歴史・流派・種類 
5中世成立の楽劇:能楽(2) 能楽の音組織・リズム・楽器、《羽衣》の分析 
6中世成立の楽劇:組踊の歴史・主要作品・《銘苅子》の分析 
7近世成立の非劇場音楽:地歌・箏曲の歴史・曲種・調絃法、《六段の調べ》の分析 
8近世成立の非劇場音楽:琵琶楽・尺八楽の歴史、《巣籠鈴慕》の分析 
9近世成立の劇場音楽:三味線音楽(1) 三味線音楽の歴史・種目、三味線の種類と奏法 
10近世成立の劇場音楽:三味線音楽(2) 人形浄瑠璃(文楽)の歴史・伴奏音楽、《新版歌祭文》の分析 
11近世成立の劇場音楽:三味線音楽(3) 歌舞伎の歴史・演目の分類 
12近世成立の劇場音楽:三味線音楽(4) 歌舞伎音楽の特徴 
13近世成立の劇場音楽:三味線音楽(5) 《勧進帳》の分析 
14民謡・民俗芸能の音楽(1) 定義と種類、音楽的特徴 
15民謡・民俗芸能の音楽(2) 沖縄の民謡・琉球芸能の歴史と特徴 
 
テキスト・参考書 授業で使用するワークブックは初回授業で配布する。

【参考書】
月渓恒子『日本音楽との出会い:日本音楽の歴史と理論』東京堂出版、2010年
田中健次『図解日本音楽史』東京堂出版、2008年 など

その他の参考書や関連資料も授業内で適宜紹介するとともに、必要に応じてプリント資料を配布する。 
自学自習についての情報 授業で学んだ芸能について、参照文献や参照ウェブサイトを用いて主体的に情報収集し、課題レポートに反映すること。
また、日常生活の中でも常に関心を保ちつつ、積極的に音楽芸能に触れてほしい。 
授業の形式 基本的には講義形式で行い、視聴覚資料、楽譜資料、楽器資料などを多用する。
簡単な実技体験やグループディスカッションを行うこともある。 
アクティブラーニングに関する情報 主体的に情報の収集や実際の音楽・芸能を体験し、課題レポートに反映させる。
課題レポートを基にしたグループ・ディスカッションも実施する。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業内での参加度25%、受講期間中の課題レポート75%として評価する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む)  
担当講師についての情報(実務経験)