科目情報
科目名 学校体育マネジメント論 
クラス − 
授業の概要  この授業は,学校や地域における体育・スポーツ振興に必要な経営学の基礎理論を学び,体育・スポーツ経営の実践能力の基盤となる専門的知識について学習する.特に,生涯スポーツの推進,競技スポーツの発展,スポーツのビジネス化・産業化の理解を深めると同時に,スポーツを通した共生社会を実現し,全ての人の生涯スポーツ社会を目指すための,専門的知識と実践能力習得を目的とする. 
授業の到達目標 1.スポーツ環境や学校体育をめぐる今日的な諸課題について説明することができる.
2.体育・スポーツ経営の構造と特性を理解した上で,学校体育および地域スポーツ経営のあり方を追究することができる.
3.生涯スポーツ社会における「学校体育」と「地域スポーツ」の役割を理解し,全ての人の生涯スポーツの推進について検討する.
4.だれもがスポーツに参加でき,共に活動できる社会を実現するためのスポーツの「場」づくりを目指した創意工夫ができる.

本講義科目は,中学校および高等学校保健体育教員免許状取得のための必修科目である.
すべての人の生涯スポーツを踏まえつつ,将来的に教職につくことを見据えた上で,学校体育および地域スポーツの重要性を考えてほしい. 
授業計画
内容
1オリエンテーション:学校体育マネジメント論の対象および範囲:生涯スポーツ社会に求められる経営能力 シラバスの確認,本授業の目的・内容・意義・および評価など 
2スポーツ行政とスポーツ政策 : スポーツ基本法 スポーツ基本計画  
3スポーツ推進の現状と課題 : 子どもの体力・スポーツの二極化,スポーツ実施率の推移 
4学校体育・地域スポーツ経営の基礎理論:経営の概念,事業,合理化・効率化  
5体育・スポーツ経営に必要なハードウェア: スポーツ施設のタイプ・エリアサービスの概念 
6体育・スポーツ経営に必要なヒューマンウェア:教師のコンピテンシーとヒューマンリソースの活用 
7体育・スポーツ経営に必要なソフトウェア:プログラムサービス事業の展開及びクラブサービスの変容 
8総合型地域スポーツクラブの経営 
9出身都道府県及び市区町の地方スポーツ推進計画:運動部活動の地域移行とその課題:総合型地域スポーツクラブの経営に関する情報収集及び意見交換 
10地域スポーツの振興と民間導入:公共サービス PFI 指定管理者制度 委託 ジョイントベンチャー NPO 
11スポーツビジネスとスポーツ産業 
12スポーツ・マーケティングという発想 スポーツイベントの成り立ち 
13体育・スポーツ事業とマネジメントサイクル及びサービス評価の重要性 
14近年の課題:特別な配慮を必要とする児童・生徒を含む体育授業とその経営 
15まとめと確認テスト 
 
テキスト・参考書 1.テキスト 柳沢和雄・木村和彦・清水紀宏 編著「テキスト 体育・スポーツ経営学」(大修館書店,2017).
2.参考図書
 ・柳沢和雄・清水紀宏・中西純司 編著「よくわかるスポーツマネジメント」(ミネルヴァ書房,2017).
 ・山下秋二・中西純司・松岡宏高 編著「図とイラストで学ぶ 新しいスポーツマネジメント」(大修館書店,2016). 
自学自習についての情報  授業の振り返り(復習)とあわせて,必要に応じて,授業の中で出された課題レポート等については,関係資料を収集して提出すること.出身都道府県や市区町村のスポーツ推進計画や運動部活動ガイドライン,外部指導者の導入状況については,日常的に情報を収集するよう心掛けてほしい. 
授業の形式 プレゼンテーションソフト(液晶プロジェクター)を用いて,講義用資料(オリジナル)に基づいて講義・演習形式での授業に加え、課題についてグループワークを行い発表する。詳細は授業実施時に指示する。 
アクティブラーニングに関する情報  必要に応じて授業の中で意見や発表を求める.スポーツ政策等については,自分の身近な地域のスポーツ政策を調べ,グループ内で発表することにより,類似性を含めた地域的な特徴を把握していく.また,都道府県や市区町村の運動部活動の在り方に関する方向性を調べて発表する(PBL型).受講生の考え方を引き出すために,受講生同士の活発な議論を促すよう配慮していきたい. 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点)  講義への主体的な参加態度・学習意欲・毎時間配付するコミュニケーションペーパーへの記載内容などによる平常点評価,課題レポートの作成内容・提出状況,および期末試験を総合的に評価する。
 評価基準は,以下に示す通りである.
  (1) 平常点評価:30%
  (2) 授業時に提示する課題に対するグループワークによる作成発表内容・提出状況:20%
  (3) 確認テスト:50%
 開講授業時数の1/3以上を欠席した場合は単位認定することができない. 
その他(授業アンケートへのコメント含む) ・受講生の方でも教員となるものとしての心構えを持って授業を受けてほしい.
・担当者は非常勤講師である.したがって、コンタクトは基本授業の前後になる. 
担当講師についての情報(実務経験)  担当講師は,障害のある子どもとない子どもが一緒に体育授業の「場」を共有するインクルーシブ体育や運動の苦手な児童・生徒に対応するための教師のキャリア等を題材にスポーツ庁創設時より各種委員として意見を述べてきた.また,学校の体育経営に関する講演・講習会・研修会等の講師を数多く務めた.特別支援教育に対応できるの教師教育(京都府スーパーサポートセンター)の委員として活動し,スポーツ推進審議会委員として政令市,中核市の学校体育,競技スポーツ,生涯スポーツのスポーツ行政に関わっている.指定管理事業のマネージャーとして地域スポーツをけん引した経験から,NPOやジョイントベンチャーを含めた公共スポーツ施設経営のあり方などに対する助言・指導も行ってきた.こうした現場経験を通して学んだことをこの授業にも活かしていきたい.