科目情報
科目名 生徒指導・教育相談実践演習 
クラス a 
授業の概要 『生徒指導・教育相談の理論と実践』で学んだ理論や子ども理解の視点及び3週間の教職専門実習の経験を基盤に、観察とディスカッションに力点を置いた演習を通して、多様化・複雑化する生徒指導・教育相談上の課題に取り組む際に、多様な視点から、児童生徒の行動の背景に想像力を働かせ、児童生徒及び教師自身の情緒的体験の探索し、答えのない事態に持ちこたえて考え続ける力の醸成を目指す。フィールドワーク(子どもを見ることを目的とする授業観察)、ワーク・ディスカッション(子どもと教師の情緒的交流の理解と探索を目的とする事例検討)、ロールプレイの3つを柱とする演習を行う。 
授業の到達目標 ・子ども理解の基盤となる「子どもを見る力」を観察を通して身に付けて、児童生徒への関心を高める。
・子どもとの関わりのなかで感じたり受けとめたりしたことを表現し、多様な視点から考えて、子ども理解につなげる力を身に付ける。
・ロールプレイを通して、子ども理解に基づく関わりや支援の実践力を身に付ける 
授業計画
内容
1オリエンテーション:授業の概要と到達目標についての説明、自己紹介、発表担当決め 
2ワーク・ディスカッション1:「教職専門実習」観察の一場面
教職専門実習での関与しながらの観察の記録をもとに、ワーク・ディスカッションによる事例検討方式で、校種別グループでのディスカッションを行う。 
3ワーク・ディスカッション2:「教職専門実習」観察の一場面
教職専門実習での関与しながらの観察について、ワーク・ディスカッションによる事例検討方式で、受講生2名程度が発表し、全体でのディスカッションを行う。 
4生子どもと教師の関係性の理解のための理論的背景と観察・傾聴・事例検討の方法(講義)
フィールドワーク1:事前指導(子どもを中心とした臨床心理学的な授業観察の目的と方法)
前期のフィールドワークの経験を振り返り、乳幼児観察を応用した授業観察について説明を受け、本フィールドワークのねらいと方法を再確認する。 
5フィールドワーク2:義務教育学校を訪問し、臨床心理学的な授業観察を行う。(朝読書〜1時間目)
事前情報がない状態で教室に入り、観察中にはメモ等を取らずに、観察者に徹する。クラス全体を観察し、自分が気になった子どもを一人選ぶ。 
6フィールドワーク3:義務教育学校を訪問し、臨床心理学的な授業観察を行う。(2時間目〜4時間目)
自分が選んだ子どもを中心に、子どもの表情・姿勢・視線・発話・ふるまい、児童生徒間及び児童生徒と教師の関係性に着目して、観察を行う。 
7フィールドワーク4:事後指導(観察クラスごとのグループディスカッション)
観察後に記憶を頼りに作成した観察記録をもとに、観察クラスごとの発表とディスカッションを通して、多様な視点から子ども理解を深めることを試みる。 
8フィールドワーク5:事後指導(全体でのディスカッション)
授業観察について、受講生3〜4名程度の発表と全体でのディスカッションを通して、学級集団における児童生徒と教師の関係性について探索する。 
9学校現場における実践と子ども理解
実務家教員による講義・演習を通して、学校現場の事例に触れながら、生徒指導・教育相談における子ども理解の実践的な視点について学ぶ。 
10ワーク・ディスカッション3:小学校の事例
学校現場で関わる児童(不登校・虐待・保護者対応等)への関与しながらの観察をもとに、受講生が事例記録を作成・発表し、全体でのディスカッションを通して、子どもの行動の背景や子どもと教師の情緒的交流の理解と探索を深める。 
11ワーク・ディスカッション4:中学校の事例
学校現場で関わる生徒(いじめ・非行・自傷行為等)への関与しながらの観察をもとに、受講生が事例記録を作成・発表し、全体でのディスカッションを通して、子どもの行動の背景や子どもと教師の情緒的交流の理解と探索を深める。 
12ワーク・ディスカッション5:高等学校の事例
学校現場で関わる生徒(授業場面での指導・進路指導等)への関与しながらの観察をもとに、受講生が事例記録を作成・発表し、全体でのディスカッションを通して、子どもの行動の背景や子どもと教師の情緒的交流の理解と探索を深める。 
13ロールプレイ1:ペアでのロールプレイ
学校カウンセリングにおける傾聴の基本を学んだ上で、児童生徒を演じることを通して子ども理解を深め、教師役を演じることにより関わりの実際について体験する。 
14ロールプレイ2:全体でのロールプレイ
教育相談場面、生徒指導場面、授業場面、保護者対応等について、受講生3〜4ペアのロールプレイを観察し、全体でのディスカッションを通して、児童生徒理解、児童生徒と教師の関係性及び関わり方について検討する。 
15全体の振り返り 
 
テキスト・参考書 参考書:『学校現場に生かす精神分析実践編:学ぶことの関係性』 B. ヨーエル 岩崎学術出版社
『ワーク・ディスカッション』 M・ラスティン・J・ブラッドリー 岩崎学術出版社
『学校臨床に役立つ精神分析』 平井正三・上田順一編 誠信書房 
『耳の傾け方』 松木邦裕 岩崎学術出版社
『生徒指導提要』(平成22年3月 文部科学省)
『生徒指導提要(改訂版)』(令和4年12月 文部科学省)  ほか、授業中に適宜指示する。 
自学自習についての情報 参考書を用いて事前学習や振り返りを行うこと。
実習やフィールドワークについて、ワーク・ディスカッションに用いる観察記録を作成する。 
授業の形式 講義、演習、フィールドワーク 
アクティブラーニングに関する情報 義務教育学校でのフィールドワーク、受講者による観察記録や事例の発表、全体及びグループでのディスカッション、ロールプレイを中心とした演習形式で実施する。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業への参加態度(授業内での発表、ディスカッションやロールプレイへの取り組み)60%
フィールドワークへの参加態度20%
観察記録課題の提出20% 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 特記事項無し 
担当講師についての情報(実務経験) 臨床心理士として、精神科病院や公立中学校スクールカウンセラー等の実務経験あり(西村)
小学校の通常学級、難聴学級、また特別支援学校の小中高等部における実務経験あり(木村)