科目情報
科目名 授業研究の理論と実践 
クラス − 
授業の概要 ・本授業は共通必修科目で学修したカリキュラムの開発や編成、教科指導に関する理論や基本的スキルを基盤とし、授業力向上のために学校現場で広く実践されている教員による校内の「授業研究(会)」の意義と方法を体験的に学び、同僚性の中で互いの職能を向上させる能力を身につけることを目標としている。
・本授業では実際の学習指導案や授業を素材に、指導案や授業を分析・評価を行うことで、授業における中心となる課題を明らかにし、授業改善の具体的方法を提案できることをめざしている。
・本授業ではフィールドワークを実施する。学習指導案を事前に検討し、授業観察の観点を各自が明確にもった上で授業参観を行い、参観後は授業者を交えて学習指導案の内容や参観した授業についての質疑応答を行う。それらをもとに、本授業の中で授業研究会を開催する。
・グループで授業研究に関する提案を行う。どのような領域を対象とするのかは、その時の教育課題などを考慮した上で決定する 。 
授業の到達目標 【テーマ】
個人および組織で行う授業研究
【到達目標】
(1)授業力を高めるために授業研究と授業研究会が果たす意義と役割について理解する。
(2)教科教育の知見を踏まえながら、授業研究の基礎となる学習理論の変遷とそれぞれの理論の特性について理解する。
(3)学習指導案の分析・評価の方法や授業観察の観点の設定や授業分析・評価のあり方について理解する。
(4)全体での議論を踏まえながら、実際の授業について、学習指導案の分析、授業の評価、授業改善の提案を行うことができる。  
授業計画
内容
1「オリエンテーション・授業研究の意義」
・授業の到達目標や授業の進め方等のガイダンスを行う。
・高度専門職という観点から学校現場で行われている授業研究の意義と重要性を理解する。(講義) 
2「よい授業とは?」
・「よい授業」とは何かをグループで検討する。(演習)
・「よい授業」には授業レベルや授業研究の目的に応じて、いくつかのステージがあることを理解し、授業研究の方法論を共有することの重要性を理解する(講義) 
3「授業研究の特性とは」
・ロナルド・ショーンの「反省的実践家」を視座とし、授業研究の方法論的特性について考察する。
・教職の専門性の特性から授業研究の重要性について考える(演習・講義) 
4「授業研究と学習理論」
・学習指導の方法論の基礎には「学習理論」があること、それぞれの理論と学習指導法とには密接な関係があることを理解する。(講義) 
5「学習指導案の機能」
・授業実践と授業研究における学習指導案の意義と機能について理解する。(講義)
・学習指導案を分析する視点について理解する。(演習) 
6「授業観察の視点と評価」
・授業観察の視点と方法についてその基本を理解する。(講義)
・授業記録の取り方や授業評価への活用の方法を学ぶ。(講義) 
7「授業研究の実践@ 指導案の検討」
・フィールドワークで参観する授業の学習指導案の検討(事前検討会)を行う。(演習)
・各自で授業参観の視点を設定する。(演習) 
8「授業研究の実践A 授業の観察と分析」
・指導案の検討と授業参観の視点をもとにフィールドワークで実際の授業を参観する。
・授業の記録をとる。 
9「授業研究の実践B 授業の観察と分析」
・フィールドワークで授業者から授業についての説明や授業後の感想等を聞く。
・授業について授業者と質疑応答を行う。 
10「授業研究の実践C 授業の分析」
・授業について各自が行った分析と評価を交流し,授業についてその優れた点,課題と思われる点を小集団で検討する。 (演習) 
11「授業研究の実践D 授業の改善」
・小集団で行った授業についての分析・評価をもとに,よりよい授業に向けて授業の改善の提案を交流する。(演習)
・フィールドワークでの授業をもとに行った,授業の分析,評価,改善のあり方について整理と評価を行う。(講義) 
12「研究提案@」
・グループごとに、決められたテーマに基づいた研究提案を行う。(演習) 
13「研究提案A、研究交流」
・グループごとに、決められたテーマに基づいた研究提案を行う。(演習)
・それぞれの発表をもとにして研究交流を行い、各自で提案内容を深める。(演習) 
14「授業研究会の活性化」
・充実した授業研究会にするため、研究会への参加者という視点と研究会の企画・運営者という2つの視点から討論と発表を行う。 
15「授業のまとめ」
・これまでの授業を振り返り、各自の学びと成長を確認すると共に今後の課題を明確にする。 
 
テキスト・参考書 [テキスト]石井英真「授業づくりの深め方:「よい授業」をデザインするための5つのツボ」 ミネルヴァ書房 2020刊
[参考書] D・ショーン「専門家の知恵」 ゆみる出版  2001刊
稲垣忠彦、佐藤学「授業研究入門」 岩波書店 1996刊
森 敏昭 編著「21世紀を拓く教育の方法・技術」 協同出版 2001刊
平山満義 編著「質的研究法による授業研究」 北大路書房 1997刊
秋田喜代美、キャサリン・ルイス「授業の研究 教師の学習」 明石書店  2008刊
日本教育方法学会編「日本の授業研究 下巻」(授業研究の方法と形態) 学文社 2009刊
横須賀 薫 編「授業研究用語辞典」 教育出版  1990刊 
自学自習についての情報 自分のこれまでの授業実践も省察の対象にするので、使った教材などを整理しつつ、授業の様子などをメモしておくこと。 
授業の形式 講義・演習 
アクティブラーニングに関する情報 模擬授業、グループでの省察を行う。学習の際に、対話を意識すること。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) ・評価は前半での学習指導案の分析レポート(30%)と後半のフィールドワークの振り返りレポート(10%)及び参観した授業の批評と改善レポート(50%)並びに授業(討論)への参加状況(10%)で行う。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 特記事項無し 
担当講師についての情報(実務経験)