科目情報
科目名 発達心理学講読 
クラス − 
授業の概要 発達心理学に関する文献を講読する。テキストとして「自閉 もうひとつの見方 これが私だと思えるように」を輪読していく。また、各自分担した部分について解説したり他の受講生からの質問に答えたりしてもらう。必要に応じて教員より補足の解説等を行う。次いで、全体でデイスカッションする。 
授業の到達目標 著者のプリザントは、自閉人(本書訳者解説参照)の方が、「普通になる」「定型的な発達に近づく」のではなく、「自分自身となる」ことを支援することの意味を説いている。そして、人は皆多様であり、その多様な人が実現する多様な発達を支援することが、教員を始め対人援助職に着く人の重要な仕事であることを示唆している。さて「自分らしくなる」とはどういうことか。その人自身が「これが私だと思える」ような支援は如何にあるべきか。発達の主体は誰か。発達の目標は何なのか。そういうことなどを、本書を読み解く中で考えていく。
それを通して、「発達する」とはどういうことか、また、「発達することを支援する」とはどういうことか、加えて、「発達を支援する者が発達する」とはどういうことか、について考え、その上で自分自身はどうしていくべきかを深く考えることが出来る。 
授業計画
内容
1オリエンテーション。授業のねらいや進め方の説明や発表の分担を行う。また、発達とは何か、人の発達の多様性について概説する 
2「まえがき イントロダクション」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
3「第1章 「なぜ」と問う」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
4「第2章 耳を傾けること」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
5「第3章 熱中」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
6「第4章 信頼、おそれ、コントロール」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
7「第5章 情動的記憶」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
8「第6章 社会的な理解」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
9「第7章 「イットをつかむ」ために必要なこと」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
10「第8章 仲間から得られる知恵」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
11「第9章 真のエキスパート」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
12「第10章 長期的な視点」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
13「第11章 自閉とアイデンティティー」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
14「第12章 還元し、道を開く」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッションを行う。 
15「第13章 英気を養う」の輪読、質疑応答、担当者による解説、及びディスカッション、および講義全体を等しての討論を行う
 
 
テキスト・参考書 テキスト 「自閉 もうひとつの見方 これが私だと思えるように」 バリー・プリザント トム・マイヤー 著 2024年 福村出版
参考書は授業中に適宜紹介する。 
自学自習についての情報 講読するテキストは、自分が担当する部分以外も必ず事前に熟読し、疑問点やさらに知りたい部分などを予め明確にしておくこと 
授業の形式 輪読しての演習形式。原則として受講者が担当する部分を分担し、輪読する中で出された疑問などについて答えるようにする。また、担当者がその部分の解説を行う。それを元にして全員でディスカッションし、必要に応じて教員が解説を加える。毎回、授業後に「フィードバックシート」を記入し、次の授業日に提出する。 
アクティブラーニングに関する情報 テキストを輪読するとともに、分担して発表し、それを元にしてディスカッションする。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 期末テストはレポート試験として行う。
期末テストとしてのレポート30% 担当した部分の発表準備と発表20% ディスカッションへの参加や授業への貢献30% フィードバックシート20%として評価する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 1回目の授業で分担を決めるので、必ずテキストを持参のこと。
発達心理学の概略を学んでいることが望ましいが、意欲があればこの限りではない。一冊の文献を丁寧に読み進めていくことの楽しさと充実感を体験し、そこから学修が発展していくことを経験するとともに、それが可能になる基礎的な知識や素養を身につけていくようにして欲しい。 
担当講師についての情報(実務経験) 中高社会科教員19年、養護学校/特別支援学校教員19年、小学校特別支援教室巡回心理士1年、保育所巡回相談員6年目。
公認心理師、臨床発達心理士SV、学校心理士SV、ガイダンスカウンセラーSV