科目情報
科目名 日本史概論 
クラス − 
授業の概要 アジア、世界との関わりを意識しながら、日本の歴史を俯瞰する。中学校の学習内容に即した形で授業を進め、教科内容に関する基礎的な知識を身につけるとともに、背景となっている研究状況について理解する。 
授業の到達目標 @ 中等教育における学習内容の背景にある研究動向のエッセンスを身につける。
A 中等教育における学習内容が、研究の進展により変化することを理解する。
B 中等教育の授業を展開する上での「問い」作りをする力を身につける。
C @〜Bをもって日本史を学び続けるための基礎となる力を身につける。 
授業計画
内容
1ガイダンス 
2古代1 日本列島における国家の誕生
*なぜ、巨大な古墳が数多く作られ、やがて作られなくなったのか 
3古代2 遣唐使の廃止と東部ユーラシア
*なぜ、遣唐使は派遣され、やがて派遣されなくなったのか? 
4中世1 モンゴル帝国の覇権と日本
*もし、モンゴル帝国が日本征服に「成功」していたら・・・? 
5中世2 アジア・ヨーロッパと戦国日本
*なぜ、火薬兵器の本格導入は16世紀半ばまで遅れ、また南九州から伝わったのか? 
6近世1 「鎖国」日本の国際関係
*17世紀の「鎖国」と19世紀の「鎖国」は、実は大きく違うものだった。それはどういうことか? 
7近世2 「鎖国」日本とアジア
*18世紀、日本はどのくらい国を鎖していたのか? 
8補論1 沖縄・琉球と日本・アジア
*前近代の琉球は、どのくらい「日本」的か? あるいは「中国」的か? 
9補論2 蝦夷地とアイヌ
*アイヌは、いつも倭人に搾取されたかわいそうな被害者だったのか? 
10近代1 「近代化」と明治社会
*「明治維新」によって、日本社会のしくみや人びとの考え方はどう変わったか? 
11近代2 日清・日露戦争と日本・アジア
*日清・日露戦争を生徒に語るとき、何に気をつけたら良いだろうか? 
12近代3 アジア・太平洋戦争と日本社会
*なぜ、日本人は戦争をとめられなかったのか? 
13補論3 アジア・太平洋戦争と歴史の授業
*なぜ、そもそもこの戦争を扱うのが大事なのか? そのとき、何に気をつけたら良いだろか? 
14近代4 高度成長と日本社会
*昭和・平成・令和と並べたときの「昭和」とはどんな時代か? 
15まとめ・予備日
*これまでの授業を総括し、テーマを決めて討論しよう。 
 
テキスト・参考書 テキスト:社会科 中学生の歴史(帝国書院 中学校社会科の教科書)
*これ以外については、授業中に適宜紹介する。 
自学自習についての情報 中学校レベルの基礎知識を習得していることを前提とするので、知識に不安のあるものは事前に教科書・参考書に目を通しておくこと。
授業で用いるワークシートは事前に配布するが、適宜、予習課題を提示することがある。 
授業の形式 知識構成型ジグソー法という授業形式を基本的には用います。「何ソレ?」という方は、教育環境デザイン研究所のウェブサイト(https://ni-coref.or.jp/archives/5515)を参照してください。もちろん、授業でも説明します。 
アクティブラーニングに関する情報 授業の大半は学生によるワーク(個人・グループ)によって展開されます。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 各回授業後のミニ課題(Googleフォーム)によって評価する(100%)。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 「考える歴史」の授業を実践するにあたり、教員には教科書記述の背景にある考え方や、それにもとづく時代像についての理解が求められます。そのためにプラスとなる授業になればと思います。 
担当講師についての情報(実務経験) 専門分野としては、日本の中世史(国際交流史)を主に研究しています。
また、全国各地の高校教員と連携し、歴史教育の刷新を目指す活動もしています。