科目情報
科目名 地理学研究 
クラス − 
授業の概要 ・今年度は「世界遺産の教材化」および「地歴融合の教育実践」を目標として、熊本県天草市の崎津集落、長崎県島原市、長崎県長崎市(中心市街地、端島(通称:軍艦島))でフィールドワークを基軸にした授業を実施します。
 
授業の到達目標 ・卒業論文の作成に向けて事前学習で文献精読と内容把握の力が身につきます。
・地理学が尊重してきたフィールドワークの大切さを学び、それを実践できる能力が身につきます。 
授業計画 ・授業は事前学習(5コマ=10時間)と現地授業(10コマ=20時間)から構成されます。
・事前学習は4月下旬(2コマ)、7月上旬(2コマ)、7月下旬または8月上旬(1コマ)を、原則として土曜日の正午より実施します。
・現地授業は8月19日(火)に天草市本渡地区での前泊(受講生各自が手配)が必要です。
・現地授業は8月20日(水)の朝に熊本県天草市「本渡バスターミナル」付近で集合し、8月20日(水)と同21日(木)に長崎市内で連泊して実施します。
8月22日(金)の13時頃に長崎港(大波止)またはJR長崎駅で現地解散します。
・現地での交通費や宿泊費で4万円〜4万5千円程度を要します(受講生数により変動、現地までの往復交通費は含みません)。
内容
1第1回事前学習会 (1):授業全体の概要説明と文献研究についてのガイダンス 
2第1回事前学習会 (2) :担当文献の確定と確認(第1回事前学習会(1)と同日に連続して実施)
 
3第2回事前学習会 (1):現地行動の具体的な説明などのガイダンス 
4第2回事前学習会 (2):文献研究の中間報告(第2回事前学習会(1)と同日に連続して実施) 
5第3回事前学習会:最終的な行程確認および事前集金(宿泊費、バス借上げ費、入館料など) 
6現地行動1日目 (1):熊本県天草市本渡地区で集合。天草市崎津地区で世界遺産・崎津教会、漁村を見学 
7現地行動1日目 (2):鬼池港〜口之津港を経て島原市へ。島原城跡を見学。 
8現地行動1日目 (3):雲仙普賢岳大噴火の災害を学ぶための「がまだすドーム」を見学。 
9現地行動1日目 (4):長崎市へ移動し、原爆関係施設を見学。 
10現地行動2日目 (1):訪問必須地点(施設)指定を受けてのオリジナルフィールドワークの実践(例:ダラバー園および大浦天主堂を含む重要伝統的建造物群保存地区)。 
11現地行動2日 (2):訪問必須地点(施設)指定を受けてのオリジナルフィールドワークの実践(例:出島およびその周辺)。 
12現地行動2日目 (3):訪問必須地点(施設)指定を受けてのオリジナルフィールドワークの実践(例:長崎歴史文化博物館および諏訪神社)。 
13現地行動2日目 (4):各自より第2日目フィールドワークのプレゼンテーション、およびそれを受けての討論。 
14現地行動3日目 (1):長崎港から女神大橋を経て長崎港の港湾施設や造船工場を海上より見学。 
15現地行動3日目 (2):海底炭坑で栄えた高島、および世界遺産・端島(軍艦島)訪問。ただし、海況や船便の都合により、いずれか一方だけの訪問になる場合があります。最終レポートの提出と解散。 
 
テキスト・参考書 ・テキストは使用しません。
・本学の環境教育実践センターが毎年刊行している『京都教育大学環境教育研究年報』や本学の教職キャリア高度化センターがかつて発行していた『京都教育大学教育実践研究紀要』に2000年以降に実施分の記録が掲載されています。これらは大変参考になるはずです。毎年の授業を記録した論文には地形図の読図演習も含まれています。地形図読図は教員採用試験に頻出しますから、その準備にも有用だと思います。 
自学自習についての情報 ・事前学習における文献研究(精読と要旨作成、キーワードの模索)は全て自学自習的な要素をもっています。ここで得られる文献読解力は、他科目でのレポート作成、自身の卒業論文作成のための文献精読で約二立ちます。
・現地授業に先立って各自で調べる現地情報は、内容に関わらず自学自習そのものです。 
授業の形式 ・事前学習:講義および演習
・現地授業:講義およびフィールドワーク 
アクティブラーニングに関する情報 ・事前学習における文献研究や地形図読図、現地での討論や作業は、その大部分がアクティブラーニングを意識して設計されたものです。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) ・文献研究を含む事前学習での取組:30%、現地授業での取組(現地で指示する作業への取組から判断):70%。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) ◆本授業科目は期間外実施(現地授業が集中講義)のため授業アンケートの対象外ですが、毎年の受講生からインタビューやレポートで「良かった点」や「改善を要する点」を受講生から伝えてもらい、それを次年度以降の授業で内容の改善に役立てる努力を重ねてきました。
◆受講人数の上限は35名(現地行動が同行程の教職大学院の受講生次第で最大5名の増員をすることがあります)。 
担当講師についての情報(実務経験) ・担当者の情報「社会科教育演習TA」および「同UA」の当欄をご覧ください。
・担当者は2026年3月末日に本学を定年退職します。今回の授業は、本学着任以来35年間継続してきた現地授業を伴う本授業科目(前身となる別名称の科目を含む)の最終回ですので、従来の授業実践で最も人気を博してきた長崎(今回が4度目の実施)に加え、世界的に注目されている世界文化遺産・崎津教会を訪問するコースを設計しました。受講生の皆様の記憶に生涯残る授業にしたいと思っています。