科目情報
科目名 園芸と環境II 
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授業の概要 社会情勢の変化にともない農業における生産コストの増大が著しく、従来の農園芸作物だけでは経営が成り立たないケースが生じている。このことから農業者を育成する農業高校教育においても、薬用作物のような新たな品目への知識が求められる。農園芸作物と薬用作物の違いは何か、薬用作物の生産を取り巻く環境(気象環境、土壌環境、生物環境)下における生育習性、健康食品や医薬品として用いる場合の品質管理の実際について詳説する。さらに、現在、国産化が実現している品目の生産栽培について、栽培の実際や研究・開発の動向を解説する。 
授業の到達目標 1.農学の基礎となる栽培学に基づく知識を更に発展させ、今後、栽培化が奨励されて生産拡大が見込まれる薬用作物について理解する。
2.小学校の環境教育、中学校の技術・家庭科、高等学校の農業科において授業実践できる力を養う。 
授業計画
内容
1薬用植物そして薬用作物とは何か 
2薬用作物の利用の歴史と法規制の対象となる植物 
3広く漢方処方に用いられる薬用作物の生育特性と品質評価 
4虚弱体質の改善に用いられる薬用作物の生育特性と品質評価 
5呼吸器機能の改善に用いられる薬用作物の生育特性と品質評価 
6婦人科疾患の改善に用いられる薬用作物の生育特性と品質評価 
7代謝機能の改善に用いられる薬用作物の生育特性と品質評価 
8消化器機能(上部消化管)の改善に用いられる薬用作物の生育特性と品質評価 
9消化器機能(下部消化管)の改善に用いられる薬用作物の生育特性と品質評価 
10薬用植物園での植物観察(日本薬局方に収載される医薬品原料作物) 
11薬用植物園での植物観察(ハーブ類、民間薬、温室植物など) 
12薬用植物園でのくすり作り体験等(実習) 
13薬用作物の国産化に向けた研究・開発の最新動向 
14生薬やハーブ類の生産栽培を目指したプレゼンテーションの作成 
15プレゼンテーションの発表とグループディスカッション 
 
テキスト・参考書 テキストは使用しない。主にスライドを利用し、必要に応じてPDFやプリントを配布する。
参考書として、改訂第4版生薬単(ショウヤクタン)〜語源から覚える植物学・生薬学名単語集〜(丸善雄松堂)を推薦する。 
自学自習についての情報 薬用作物の生産栽培とその技術に関連したニュースに目を配り関心を高めること。 
授業の形式 講義を中心とし、一部は製薬企業の薬用植物園を利用しての見学・実習 
アクティブラーニングに関する情報 製薬企業の薬用植物園での見学・実習を実施し、実産業に従事する方々とのコミュニケーションを通して、その結果も含めてプレゼンテーションを作成し、発表後にグループディスカッションを行う。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 講義に10回以上出席した者を評価の対象にする。プレゼンテーション30%、グループディスカッションへの取り組み姿勢30%、レポート40%。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 特記事項無し。 
担当講師についての情報(実務経験) 京都府立植物園技師、京都府農業改良普及員、武田薬品工業株式会社京都薬用植物園技術研究職。