| 科目名 |
自然地理学 |
| クラス |
− |
| 授業の概要 |
自然地理学は、自然環境の構造とその変化を生み出す現象を総合的に理解し、人と自然の関わりの中で生じる諸課題を解決に導く学問である。本授業では、特に「地形」に着目し、気候・水文・地質条件との相互作用の観点から、その成り立ちと基礎知識を概説する。 第1回から第5回では、地形の理解に必要な長期的・広域的スケールの枠組みを扱う。第6回から第11回では、中学校・高等学校の教科書にも頻出する各種地形の特徴とその形成過程を詳細に解説する。第12回から第14回では、京都近郊を対象とした自然地理学研究の事例を紹介する。最終回では、人と自然の関わりについてまとめる。 また、自然地理学は文理融合的な性格をもつ学問であり、中学校・高等学校の「社会」「地理」のほかに、「理科」「地学」といった教科とも関わっている。本授業では前提知識がなくても理解できるよう、順を追って丁寧に解説する。 |
| 授業の到達目標 |
人間の生活の舞台である土地の成り立ちを、時空間的に思考する力を養う。さまざまな地形が、どのようなプロセスの相互作用によって、どれぐらいの時間スケールをかけて形作られてきたのかを考え、その特性と人間社会との関わりを総合的に理解する。さらに、自然地理学における地形の関連分野(気候・水文・土壌・植生)についても、断片的な用語の暗記にとどめず、成り立ちや背景との関係のなかで捉える姿勢を養う。 |
| 授業計画 |
| 回 |
内容 |
| 1 | 自然地理学の基本的枠組みと意義 |
| 2 | 地形の形成プロセス:「内的営力・外的営力」と「時間・空間スケール」 |
| 3 | プレートテクトニクスと大地形 |
| 4 | 日本列島の成り立ちと構造 |
| 5 | 近畿地方の地形概観とネオテクトニクス |
| 6 | 読図の基礎:等高線図の判読と様々な地形学図 |
| 7 | 変動地形:地殻変動・断層運動による地形 |
| 8 | マスムーブメント:重力変形地形と斜面崩壊の発生 |
| 9 | 沖積低地でみられる地形(扇状地、谷底平野、自然堤防ほか) |
| 10 | 沿岸部でみられる地形(リアス海岸、海岸段丘、砂州ほか) |
| 11 | その他の地形(氷河、カルスト、ロックコントロール) |
| 12 | 身近な自然と研究(1):京都盆地の自然環境と平安京 |
| 13 | 身近な自然と研究(2):琵琶湖を取り巻く景観の変遷 |
| 14 | 身近な自然と研究(3):六甲山地の形成と大阪湾の記録 |
| 15 | 地形環境と人間:街道、居住地、災害 |
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| テキスト・参考書 |
テキスト:なし 参考書: 松倉公憲(2021)『地形学』朝倉書店(ISBN: 978-4-254-16077-2 C3044) 太田陽子ほか(2010)『日本列島の地形学』東京大学出版会(ISBN: 978-4-13-062717-7) 岩田修二(2018)『統合自然地理学』東京大学出版会(ISBN: 978-4-13-022501-4) |
| 自学自習についての情報 |
授業では近畿地方を中心とした身近にある地形を多く紹介する。日常生活や旅先においても、授業内容やスマートフォンの地図アプリ等を活用しながら、土地の成り立ちや人文現象との関連を主体的に考察してほしい。そのほか、各回では授業テーマに関連する参考文献を適宜紹介する。関心を持った文献を各自で読み、理解を深めることを期待する。 |
| 授業の形式 |
講義 |
| アクティブラーニングに関する情報 |
授業後の出席カードへの記載に加え、後半以降では地形図の判読等に取り組む。 |
| 評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
授業内での参加度(50点)と期末試験(50点)で評価する。 期末テストでは、自然地理学の基礎知識と読図に基づき、自然環境を考察する問題を出題する。 |
| その他(授業アンケートへのコメント含む) |
特記事項なし |
| 担当講師についての情報(実務経験) |
京都大学防災研究所に在籍。航空測量会社の河川・砂防部門での勤務経験を有する。専門は自然地理学(主に地形学)であり、フィールドワーク、宇宙線生成核種分析、GIS(地理情報システム)によるデータ解析等をおこなっている。 |